立候補予定者への公開質問書のご回答
2007.4.11

木津町長選挙立候補予定者に対する公開質問書のご回答


私たちは、自分たちの住むまちについて、こんなまちであってほしい、こんなまちに住みたいと真摯に考え提案しています。市町村合併によって新しく誕生した木津川市。その将来を託すことのできる首長を、住民としてきちんと選んでいく責務を痛感しています。そこで、選挙を前に私たちの考えるまちの課題について、立候補予定者の方の考えをお聞きしました。
大西さん・田中さんには、4月4日に申し入れし、大西さんは5日、田中さんは10日にご回答いただきました。お忙しい中、ありがとうござました。
河井さんにはお二人と同じように4日に申し入れしたところ、お電話にて辞退をしますといわれましたので、翌日郵送にて質問を送付させていただいていますが、現時点においても、残念ながら連絡はいただけていません。
お二人のお考えを、住民の皆様へ情報提供いたします。

                             (ご回答は、到着順に、文章はそのまま掲載しています。)



1. 今春の統一地方選から、市長選の候補者がマニフェストを記したビラ配布ができるようになりました。マニフェストは具体的な政策や実施期限、財源、数値目標を工程表付きで示されるため、判断材料としてまた、当選後の進捗状況のチェックとしても有効と考えます。あなたは工程表付きマニフェストを提示されますか。
  * 私たちが考える「工程表付きマニフェスト」とは、掲げられた個々の政策につい    て、実施予定時期が明記されているものを言います。
   例:即座に実施、着任後すぐに着手、○○年度より実施、○○年度より検討など
  
 A提示する    B提示しない

   
(大西候補) 提示する。
しかし、充分な情報公開がされていない現状では細かな数値目標は出せない。
しかし、大まかな期限、数値は可能である。大きな財源を必要としないものもあるので、必要とするものは議会の承認を得て予算化を図る。
(田中候補) 提示しない。
<理由>
市長選挙は、候補者の市政運営の理念、姿勢、政策を有権者に示し、その候補者が市長にふさわしいかどうかの審判を仰ぐことといえる。その提示資料として私は、今回頒布が認められた「ローカルマニフェスト」(通称マ二フェスト)を重視している。
このマニフェストは記載面積が限られており、貴会のいう工程表はつけられない。従って、他のいかなる全体的なマニフェストにも工程表はつけない。
 
*あなたのまちづくりに対する決意をお聞かせください。 

(大西候補) 就任後直ちに市民を交えた「まちづくり協議会」を設置し、市民の皆様の素晴らしいアイディアを取り入れた「木津川市まちづくり基本条例」を制定し、その見える将来像をお示しする。
行政は、市民参画・協働のまちづくりとなる仕組(仕掛け)作りをする。
(田中候補) まちづくりには自発性と合意が大切である。そこで、自発性が育つ仕組みをつくり、合意を図る手立てをもうける。
この2つはいずれも市民にそれぞれが持てる力を発揮することを求める。市民と行政の協働である。協働を追及することは従来の行政のやり方にはない新しいやり方を行政に持ち込むことであり、問題解決の新方式がそこに生まれ、新しいまちづくりが見られることになる。行政だけ、市民だけという従来の方式には見られなかった大きな力が生まれる。
 この力を活用して木津川市が当面する次の課題に取り組む。
 @ 東部地域の開発問題への対処方針を定める。
 A それぞれの地域の可能性を最大限引き出すことで自立的な発展を果たし、格差       のないネットワーク型の都市構造を実現する。
 B 市域を移動可能なものにしていく。
 C 福祉・教育に力点を置いたまちづくりをすすめる。
 
2 市町村合併は、本来住民主体で行われるべきものです。木津町では住民投票を求める直接請求が議会で否決され、加茂町では住民意向調査結果が開票されませんでした。今回の合併の経過・決定に、住民の意思が十分反映されておりません。あなたはこの事態をどのようにお考えですか。
(大西候補) 間接民主主義を楯に実質審議がなされず、馴れ合い政治がまかり通っている。
議会が現在のような機能しか発揮できないのであれば三権分立は絵に書いた餅であり、形式主義に陥っていると言わざるを得ない。
議会のご協力を得て、議会のあり様についても市民を交えて考えていきたい。
住民投票基本条例の制定が必要と考えている。
(田中候補) 私も参加した「みんなで住民投票を実現する会」が、住民投票条例制定議案を議会が否決したときに見解として示したとおりである。それは次のものである。「住民投票条例が否決されたことで、3町合併はその枠組みをはじめ一度も住民の意思を問うことなく決められようとしています。
町長はこれまでことあるごとに『何らかの方法で住民の意思を問う』と言ってきたことを反故にしました。木津町の将来と住民のくらしを左右する合併が、町民に問われることなく決められることは民意に基づいて進められる地方自治の根幹をゆがめることになります。同時に町民にとっては不幸な出来事で将来にわたり禍根を残すことになります。」
私はこのような民意無視の市政は市民と行政の協働をすすめていくうえでの大きな障害になると考える。さらに、市民一人ひとりのまちづくりへの自発性と地域の内発的発展力を育てることを否定し、今求められている格差のない木津川市づくりを不可能にする。地域に民主主義を根付かせることもできなくなる。
 木津川市のことを、市民のことを考えるとき住民の意思を反映する市政の実現はいそがれている。
 
*今後、相楽郡の他の町村との合併について、将来的にどうお考えですか。その理由もお答えください。
A合併が必要    B必要ではない   Cどちらとも言えない  

(大西候補) A合併が必要と考えている
住民のアンケート調査でも明らかなように精華町との合併を望んでいる市民が40.2%おられる。学術研究都市として、まず精華町との合併を模索したい。
今後の他の町村については、相(あい)楽しい相楽は一つ、というコンセプトのもと、地域エゴを排除し、共に手を携えて相楽の抱える課題に取り組みたい。
(田中候補) Cどちらとも言えない
理由 将来、木津川市がさらに合併を行うのか、その相手はどこかといった地域と市民にとって大事な問題は市民の中からその声が出てくるのかどうかによる。
仮に、その声があったときは住民投票条例を使って、住民の意思を十分に聞いて行動する。
 
3 新庁舎についてお聞きします。
今回の庁舎建設に向けての計画や契約は、木津町のうちに協議され、木津町の庁舎として木津町議会で契約の議決がなされました。
2004年9月の木津町町長選挙の際に木津未来会議が行った公開質問状には、「新庁舎は必要。予定地域・時期は合併の話し合いの中で」(河井 規子 元木津町長)との回答もありました。
新市の庁舎を木津町のみで計画し、木津町である状態で決定したことについて、再度、新市の議会において審議しなおす必要があると思いますが、いかがお考えですか。

(大西候補) 就任後直ちに庁舎建設見直しに着手する。
「もったいない精神」で、今あるものを大切に使い不要不急の支出は先送りする。
位置、規模、機能は新市の市長、議会、そして、何よりも納税者である加茂町、山城町の市民も含めて決めるべき課題である。
(田中候補) 決定過程は大きな矛盾を持っており、おかしいし納得できるものではない。しかし、庁舎の建設を決定する議会のさまざまな段階は、ただ一人(公開質問書を出した人ではない)の町議を除き全員賛成で通ってきている。
また、新市の事務所(庁舎)の位置は、第4回の合併協議会で決められている。
これらのことと庁舎建設の契約がすでに結ばれているうえに、庁舎建設のための必要
とされる土地を庁舎建設地周辺で購入していることを考えると、少なくとも事務所(庁舎)の位置については変更の余地はない。
また、庁舎自体についても違約金、庁舎建設地周辺で購入の土地の利用も考えると、全面的に再検討をして契約破棄につながるような計画の練り直しはありえない。私は庁舎内部を市民にとって使いやすい、建設費用が少しでも低廉なものにしていく設計変更を関係者の間で協議していく。
 
*また、将来的にさらなる合併を考えた場合、今回の庁舎の規模、立地場所等は適切だと思われますか。(2の回答との関連でお答えください。)
(大西候補) 将来の更なる合併を考えた場合、規模はともかく、今回の立地場所は不適切である。
旧庁舎は研修、宿泊施設に改装し、活用したほうが、(飲食店など)周辺地域の活性化に繋がると考える。
(田中候補) 規模については、これからの行政事務の再編成の方向や外部監査の結果によって、必要とする庁舎面積に変動が生じるので現時点では適切か否かは軽々には判断できない。
 
4 ひらかれた市政は、市民が主体のまちづくりを進める上での必須条件だと思います。そこで、情報公開の姿勢についてあなたの考えをお聞かせください。
* 土地開発公社など市の関連団体の文書も公開の対象とするお考えはありますか。

大西候補) 情報公開については積極的に進める。隠し事のない政治、うそのない政治、ガラス張りの政治に取り組む。
それは、行政側にとっても信頼のまちづくりにおいて楽(プラス)であり、住民にとっても安心の暮らしに繋がる。
一部の利権に利する情報は公務員の守秘義務を遵守しなければならないが、個人情報の保護を加味した上で公開の対象とする。
(田中候補) 関連団体は木津川市とは別の存在であるので木津川市の情報公開の方針の押し付けはできない。木津川市単独の関連団体の場合は木津川市の方針への同調を強く求めて行く。複数の団体の関連団体の場合はその団体の協議、調整の合議で問題提起を行い、粘り強くかつ精力的に交渉を行い、情報公開度を高めていく。
 
*大型公共事業について、計画策定段階で情報開示し、市民の意見を聞く機会を設けるというようなお考えはありますか。
(大西候補) 都市計画審議会が行政の言いなりの、単なる承認審議会であった反省を踏まえ、またパブリックコメント制度がうわべだけのガス抜き制度である実態を踏まえ、「木津川市まちづくり基本条例」にのっとり、計画策定段階から情報公開し、市民の皆様のアイディアを取り入れる。
特に嫌悪施設といわれる大型事業は当該住民を交えて充分な話し合いが必要。   
(田中候補) 大型公共事業については、企画・構想段階で必要性、効用性、費用対効果などをどう考えるかを市民に問いかける。次に、計画段階では具体的な内容説明を行ったうえで市民の意見を聞く機会を設ける。ここで出された意見は実施計画に反映させていく。
 いずれの場合でも、市自らが情報を可能な限り開示し、説明会を開催して市民の皆さんに理解していただけるよう務める。
 
* 一定の公職にある者から受けた提言・要望・要求などを記録化する条例を制定する考えはありますか。透明で公正な市政の推進のためにも、その情報を公開し、口利き、働きかけの防止を図るお考えはありますか。
(大西候補) 利権構造の温床となる口利き、働きかけの隠蔽は、つまるところ市民の損失となり、口利きの恩恵を受けた物も自助努力をしなくなり被害者となる。
(田中候補) すべての申し入れ、要望、要求、さらには提言なども正確に記録するよう努める。また、それらの事項に関して行った対応も正確に記録していく。
この件についての市の情報は市組織の中でオープンにし、共有することで口利きを防止し、透明で公正な市政推進に役立てて行く。ただ、公開は慎重にしたい。
 
* その他、情報公開を進める上で具体的な提案などありましたら、あなたのお考えをお聞かせください。
(大西候補) 三位一体の改革で、国や府も大借金を抱えて破産状態である。
「○○とのパイプ役のために頑張ります」などという政治手法はもはや通用しない。
「寄らしむべし、知らしむべからず」ではなく、「寄らしむべし、知らしむべし」の姿勢で行政の現状を洗いざらいお知らせし、理解を得ることから「市民参画・協働のまちづくり」の輪が広がるものと信じている。
ある日突然、破産しましたでは安心して暮らせない。市民は戸惑うばかりで怒りと、責任のなすり合いに終始するだけである。
(田中候補) 個人情報以外の市の情報は原則、公開とする。市民が誰でも自由にその情報に触れうるよう、市情報を集めた特別室を用意する。
 総括的な市政情報は広報を活用するほか年2回程度、市政報告会を開き市民の皆さんに提供する。
 
5 今後のまちづくりを進めていくうえで重要な木津北・東地区に対する考え方をお聞きします。都市再生機構(UR)により木津北・東地区の事業中止が打ち出され4年が経とうとしています。
生駒市は、大規模宅地開発に伴う市の負担が膨大であり、かつ宅地開発の採算性に疑問と判断をされ、高山第2工区の宅地開発への協力姿勢を撤回する方針を打ちたてられています。
木津北・東地区について市としてどのように関与していくのか、あなたの考えをお聞かせください。

(大西候補) 地権者の皆様の夢を奪い、大変なご迷惑とおかけしたことを詫びねばなりません。
将来のことについては、例えば、農業大学の誘致や環境配慮型の企業誘致などを市長自らトップセールスでやり、 成功すれば理想的である。
しかし、その候補者探しや立地条件の悪さからすぐには難しいと考えます。したがって、例えば母と子、一般市民も憩える場として、自然と慣れ親しむ自然共生型の森林公園・アスレチック・小動物園・竹の子掘りや大根掘り、山菜摘み取り園、鹿背山地区の柿畑に見られるような観光果樹園など等、この地区の経験と知識を活かした観光農園として整備すればどうかと考えます。
地元住民の恩恵に資することが前提で、京阪神地区からも観光客が呼び込めるような構想が必要と考えます。
 いずれにしてもダイナミックに推進するには住民の皆様のバックアップが不可欠であると同時にUR・国・府のご理解を得なければならないと考えています。
(田中候補)

宅地開発を中止した木津北・同東地区の利用の方向は保全型であることは明らかである。この前提をもとで両地区に責任を持った今後の整備、保全の方針をURに早く出させる。このとき木津川市はURに協力し、指導する。


6  国や自治体の財政の厳しい中、財政改革についてあなたの考えをお聞かせください。
* 財政改革のひとつとして、入札制度の抜本的な改革が必要と考えます。あなたは、必要とお考えですか。
必要              必要なし
(大西候補) 必要
(田中候補) 必要
* 必要と答えられた方にお聞きします。
私たちは、公正・中立・透明な入札を進めるために、指名競争入札の縮小、郵便入札・電子入札の導入などが必要と考えます。あなたは具体的にどのような改革を考えられていますか。
(大西候補) 落札率が予定価格の90%を超えると談合体質といえます。
職員の能力アップを図り、予定価格の積算精度を高めると同時に、一般競争入札に移行すべきです。
ただ、地元の商店主の話を聞きますと、40万円で落札して1,500円しか利益がないという生々しい声をご紹介しておきます。
勝ち組、負け組みがハッキリしてくると地元商店のセーフティーネットが課題として浮かんできます。
(田中候補)

入札の仕組みの改革は有識者の意見を聞き、成果を得る。
検品、検査を厳しく行い指定どおりの品物が納品され、工事が行われるよう指導していく。また、談合をおこなった業者には厳しい罰則を適用し、談合は割りに合わないことを理解させ、談合ゼロを目指す。


*その他、あなたの考える財政改革についてのお考えをお聞かせだくさい。 
(大西候補) 政策T  「もったいない精神」で財政の立て直し
目標  1.庁舎建設工事を見直し、各種大型プロジェクトの総点検。
     2.行政組織の簡素化と柔軟な運営管理を行い、同時に各種委員・制度を
       見直し実働部隊を配置する。 
     3.行政の広域化により効率を高め、行政コストの削減
     4.税金の無駄遣いを戒め不要不急の支出は先送りする。

手段  1.緊急に財政立て直し策がとれるように市民を交えた財政危機対策委員
       会を設置
      2.大型投資事業を見直し不要不急の支出は先送りする。
          
期限  1. 就任後直ちに着手、各部署でチェックし、第一次計画案を策定する。
     2. 2年目、第一次計画に基づき実行する。 
      3. 3年目、評価を行う。
      4. 4年目、第一次計画の完了と、次年度への目標設定
財源  必要な費用は予算化する。


政策U 3町合併が大変厳しい船出である旨の理解を市民に求め、合併のメリット
      を出すよう木津川市の舵取りをする。

目標   1.513億円の借金がある旨発表・説明し詫びた上で誠意を以て健全な
        財政指数が示せるまで借金を減らす覚悟が必要。
      2.議会がチェック機能を果たしていなかったのも事実であり、市民の税金
        を執行する者の責任が問われている。財政立て直しの目途が立つまで
        大型事業は抑制し、必要最低限の支出にとどめる。
       3.市長自らトップセールスで企業誘致を行い、新しい地場産業の振興も
        市民と商工業者・農業従事者等と行政が協働で取り組む
       4.道の駅やインターネットショップを開設し、特産品の販売、開発、PRに
         努める。
 
手段   1.何故このような野放図な放漫経営を続けてきたのか、前町長を召還して
         公聴会を開き説明を求める。
      2.税金の無駄遣いを戒める。 
      3.返済計画を市民に示し理解を得なければならない。これこそが納税者へ
        の誠意である。
      4.古い衣を脱ぎ去り、地縁・血縁・しがらみ・利権政治との決別。
         少々の痛みを伴ってもガラス張りの政治を行い、早く膿を出し切ること
         が早く立ち直る秘訣である。

期限    就任期間内に目途を立てる。
(田中候補) 次の施策を考える。
@   費用対効果を厳しく検討する。
    ・不要不急の事業、事業効果の薄い事業の中止、廃止
    ・他の代替案、事業案の用意
A   関係者の意識改革
    ・必要だからつくるという考え方から他に代替方策が見つからないから作ると
     いう考え方への転換
    ・事務事業の進め方の改善
    ・研修によって職員の能力の向上を図り、コストを削減する。
B  不用資産を処分する。
C  市民の力を借用し、施策を充実する。
〒619−0224
木津川市兜台2−2−1アーバンF305
木津未来会議代表    呉羽 真弓
0774−72−9172(FAX同)


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